e-TeachingAward Good Practice集
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小テスト回答画面小テストの問題は10問用意しておき、そのうちの1問がアクセスするたびにランダムに表示されるようにした。「小テスト」機能だ。 この「ミクロ経済学α」という授業では、毎回冒頭の15分程度を前回の復習時間にあてている。この授業を見学した担当職員から「復習用にCourse N@viの小テストを活用してみてはどうか」という提案を受けて導入したものだ。 今回実施した小テストは、受けるか受けないかは本人の自由とした。「小テストの結果は、受けたことで一律に加点したり減点したりするわけではなく、テストの結果がギリギリのところで再試を受けられる点数に届かない学生に対して、小テストの結果を上乗せして再試の機会を与えるという使い方をしました。ですから、自信のある学生は受けなくてもよいことにしたのです」。 終了後、学生たちに採ったアンケ-トによると、「復習に有効であった」としておおむね好評だったという。「この授業で単位がとれるかどうかに卒業の可否がかかっているような、切羽詰まった学生にとっては、安心材料になったようです」。 Course N@viでの小テストは、解答を計算結果の数字を入力するか、あるいは選択肢から選ぶ形式にすることで、自動で採点・集計をすることができる。「これは圧倒的に楽ですね。これだけの人数ともなると、紙のテストを1枚1枚照らし合わせて採点するのはかなり時間がかかりますから」。必要に応じた厳格さを細かい設定で調整可能 小テストは冬休み中に1週間の期間を設けて実施したが、学生間の情報交換を防ぐために、回答の異なる問題を10問用意し、学生たちの画面にはその中からランダムに1問が表示されるようにした。「そのため、問題数を多く用意する必要がありました。しかし、何年も続けていけば、ストックされた分を多少アレンジして流用もできるので、その労力はムダにはならないでしょう」。 この出題形式については、事前の説明が不十分だったため、若干のトラブルもあったという。学生の中には、一度表示された画面でそのまま回答せず、いったん画面を閉じてからじっくり考えて、後から再ログインして回答しようとした者もいた。ところが、前に表示されたのとは問題が異なっていることに気がつかず続けてしまったため、不正解になるというケースが発生したのだ。「説明を周知できなかったのは反省点です。ただ、救済策として実施しているというこの小テストの性格上、この授業での活用については、問題をランダム表示するという仕掛け自体が不要だったかもしれないとも感じています」。 Course N@vi側での設定自体は、用途や希望に応じて変更が可能だ。公正を期すための厳格さと、幅広く利用しやすくするための柔軟性とのバランスについては、その都度その事例に合わせてベストなものを選択するのが、運用のコツといえそうだ。職員に相談すれば活用法を提案してくれる 今回の試み以前は、Course N@viの導入にはあまり興味がなかったという田中先生だが、「実際にやってみると、操作自体はどれも感覚的にできたし、スムーズに利用できました。今まではCourse N@viで何ができるのかがよくわからなかったので、あまり関心もありませんでしたが、今後は職員の方の提案を参考にしながら、いろいろな機能を少しずつ取り入れていきたいと思っています」。 そこで、現時点でどんなことができたらいいと思うか聞いてみた。「たとえば、すでに何回も行っていてほぼ講義ノートが完成している授業については、これを一括アップロードしておけば、各授業の週に合わせて、対応する分ずつ自動的に公開されるようにできたら便利ですね」。 これについては、あらかじめファイルを分割し、それぞれを公開する期間を手動で設定しておけば、現状のCourse N@viで実現可能だ。「毎年期間を設定するのが少し大変なので、その年のカレンダーに合わせて自動設定されるともっと助かるんですけどね」。 Course N@viには多様な機能が搭載されているが、どんな機能があり、それを自分の授業にどのように活用できるかは、なかなか分かりづらいかもしれない。しかし、日頃「こんなことができたらいいのに」とか「この手間をなんとか効率化できないか」などと感じていることがあったら、積極的に担当職員に相談してみることをおすすめしたい。それぞれのケースにはCourse N@viのどんな機能で対応が可能なのか、一緒になって検討し、活用できそうな機能を紹介してもらうことができる。 もちろん、必ずしも満足のいく結果が得られる機能があるとは限らない。だが、それらの要望の蓄積は、今後のバージョンアップによる機能向上に反映されていくかもしれない。39出席カード携帯電話での登録画面の例Course N@vi活用部門

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