e-TeachingAward Good Practice集
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金曜日授業:学生発表の様子金曜日授業:交流相手校の様子そうでない学生については、総合的な知識が身についたかどうかを確認するために教場試験を必須としています」。他国、他分野の学生との交流で教室だけでは学べない収穫がある 一方で、学部生であっても早稲田の学生ならではの強みもある。「他大学の学生は理工系や経済系の学生が多いのですが、早稲田の学生は国際政治を専門とする水曜日の授業を受けているので、彼らとは違った視点を持っています。気候変動やエネルギーの問題の技術的な知識では敵わなくても、問題解決をどうすればいいか、社会的な問題をどう捉えるかということに関しては、早稲田の学生はしっかり発言できています」。 この点を裏返して見れば、早稲田の学生にとっては、この問題の技術的側面からの高度なアプローチを体験できる貴重な機会ともなる。「我々は国際関係の分野からの環境問題を専門としているわけですが、他の分野の専門的な話を聞けることで、ある意味、事例研究のような位置付けにもなっています。学習意欲の高い学生にとっては、非常に参考になることが多いでしょう」。 2012年度には、ミクロネシアやタンザニアからの留学生がハワイ大学の学生報告を担当した。「これらの国の事情を見聞きすることは滅多にないので、新しい知識に触れることができ、非常に興味深く感じられました。幅広い国からの視点に接することによって、早稲田の教室の中だけで勉強しているのとはまったく違う、広い知識を得ることができます」。 海外の授業を受けることの新鮮さ、そしてより専門的な授業を受けることは、さらなる学問的な興味をそそるという効果を見せている。「自分の知らないことがあるのだと気づき、それを自分で調べようというインセンティブにつながるのです」。学生たちが自分で考える力を養い、自分で問題を発見してそれを解決する方法を身につけることが教育の基本だと太田教授は考えている。「世の中の何がおかしいのか、何をどうすればいいのか、そういう問題を自分で発見して、問題を問題だと認識できることが一番大事なのです」。国際的テーマだからこそ海外の学生と学ぶ意義は大きい この授業では、学生による授業評価も行っているが、回収された回答を見る限り、かなり満足度が高いようだ。過去のデータでは、参加校が10校以上に増えてしまうと満足度が下がる傾向があったため、現在は参加校を絞っているという。金曜日の交流授業については、修了時に国連大学が発行した修了証がもらえることになっている。学生にとっては、これもインセンティブの一つになっているようだ。 国際教養学部では、日本語を母語とする学生には1年間の海外留学を必須としているが、この授業ではICTの活用により、日本にいても海外の学生と同じ授業を受けることができる。「遠く離れた外国の学生と授業を交流できることで、いろいろな大学の強みや専門性を活かした授業が受けられます。特にこの授業では国際的なテーマを扱っているので、海外の学生と一緒に学び意見交換ができるのは大変有意義なことだと思います。今後は、遠隔授業の際にテーマだけを設定して自由に意見交換できるような、学生同士のディスカッションだけの週を設けるなど、より多くの学生がもっと積極的に授業参加できるように改善していきたいと考えています」。07CCDL授業部門賞

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