事例集Vol.1
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情報工学をフィールドとする山名教授は、従来から教育や研究の現場でITを活用してきた。そんな山名教授にとって、Course N@viは教員の持っている情報を学生へフィードバックする手段として、もっとも役立っているという。その具体的な利用法と、Course N@viの今後の可能性や改善点などについて、お話を伺った。情報をフィードバックして学生と共有し、認識のずれをなくす山名早人理工学術院教授専攻の選択時に基幹理工学部全員がCourse N@viを使用 山名教授が所属する理工学部の基幹理工学部では、専攻学科を指定せずに入学し、2年次進級時に決定するシステムだ。1年次の終わりで実施するその希望調査において、Course N@vが導入されている。 まず、各種ガイダンスなどの資料は、Course N@viにアップロードしておく。これにより、従来のように欠席者のために予備のコピーを事務に預けておく必要はない。そして、学生の行きたい学科を各自Course N@vi上で選択させることで、各学科の希望人数を教員側がすぐに把握できる。さらに、学科によって提出を可としている自己アピール用のレポートも、Course N@vi上から提出させている。採点は複数の教員が行うが、これを「アンケート機能」を使って入力すれば、各教員の評価の平均値が自動集計され、教員全員が画面上から確認できる。「この種の情報をメールでやりとりするのはセキュリティ上も好ましくないので、Course N@viの中で完結できるのは非常によいことだと思います。今までは、同様のことをするには別途システムを作らなければならなかったので、便利になりました。」 基幹理工学部の学生は2年次への進級時に全員がこのCourse N@viを使うことになるため、ここでそのシステムにも慣れ、2年次以後の授業において違和感なくスムーズに使えるようになっているという。出席やレポート提出状況の情報を学生にフィードバック 実際の授業でCourse N@viを利用していて、もっとも学生たちに好評なのは、出欠記録の確認だという。受講人数の多い授業では出席した学生にサインをさせているが、この情報をエクセルで入力しておいて、Course N@viに一括アップロードするのが山名教授のやり方だ。Course N@vi上で1件1件直接入力するよりも手間がないという。「私の授業では、基本的に全体の3分の2は出席しないと単位が取得できないことになっています。私の手元にあるデータを学生たちの側でも確認してもらえば、記録のミスによるトラブルも防げます。」 この出席管理の機能を、山名教授はレポートの提出状況の管理にも利用しているという。「電子回路図などのレポートは、紙面上に図やコメントを書き込んだ上で学生に返却する必要があります。Course N@vi上ではテキストのコメントしか入力できないため、電子データだけでやりとりするのは不便です。そこで学生には、紙のまま提出させています」。それを受理した時点で、出席機能を使って出席状態にしておく。受け取っていない場合は、Course N@vi上では欠席の状態になっているので、学生たちは自分のレポートが提出済みになっているかどうかを、自分の目で確認できる。 学生へ返却する必要のないレポートについては、PDFにした上でCourse N@viから提出させている。この場合、Course N@vi上でレポートが提出されると自動的に提出済み扱いになり、教員にもメールでお知らせが届く。提出されたレポートを採点したら、Course N@vi上に入力しておく。 いずれの場合も、出席やレポート提出状況などのデータを目に見える形で学生と共有し、コミュニケーションを確実に成立させるという意味で、Course N@viが大きな役割を果たしているという。 試験の終了後は、平均点や分布点をCourse N@viの「お知らせ機能」を使って受講生に公開している。「従来はパスワードをかけたWebページを作り公開していましたが、Course N@viなら、受講した学生だけに簡単に通知できます。」 もちろん、通常のメールを使っても同様のことはできるが、その場合は学生たちのメールアドレスを管理する必要が出てくる。「個人情報はなるべく持ちたくないので、その点でもこのシステムは優れていると思います」。セキュリティという観点からみれば、公開する試験結果データそのものも、Course N@vi上に置14Ⓒ shimizuchieko

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