事例集Vol.1
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08「語学の学習には反復練習が絶対に必要」というポリシーを持つ福田教授は、語学のみならず、大人数の講義から少人数のゼミまで、さまざまな形態の授業で、学生の力を伸ばす細かな指導を実践している。その現場において、Course N@viの導入が教員の労力を大きく軽減し、かつ教育効果を上げるのに役立っているという。Course N@viを使えば、きめ細かな指導を大幅に効率化できます福田育弘教育・総合科学学術院教授外国語:細かな加点システムで、日々の努力を評価する たとえば、「フランス語演習」の授業ではこんな風に利用している。授業で使うテキストについて、事前に全員に翻訳をさせ、それをCourse N@viの「レポート機能」で提出させておく。福田教授はこれをCourse N@vi上で採点すると同時に、印刷して間違えた箇所をチェックして学生に返却する。授業では学生たちの間違えた箇所を中心に解説を行う。終了後には授業への質問や感想・意見を「ディスカッション機能」から書き込ませる。そして、後日、内容理解度を確認するため、「小テスト」機能で簡単なテストを行う。必ずこの事前課題、授業の感想、小テストの3つをセットで実施することで、毎回の授業で確実に力をつけていけるよう指導している。 「語学というのは、学期末に1回試験をするだけでは駄目で、反復練習が絶対に必要なんです。毎回コツコツ学習を重ねれば、必ず実力もついてきます。」 その信念のもと、以前からこれらのきめ細かな指導を続けてきた福田教授にとって、Course N@viの導入により作業は圧倒的に楽になったという。 以前は、メールで課題を送らせていたが、メールだと締め切りを過ぎても受信できてしまう。その点、Course N@viでは締め切りを設定することができるので、その時間を過ぎると自動的に受け付けない運用ができる。提出物の期限を厳密に管理できるというわけだ。 また、Course N@viだと採点を自動集計できる点も画期的だという。「メールで感想や課題を送らせていたときは、採点したものを手動で集計するのがとても大変でした。Course N@viなら、オンライン上で個々の採点を記録しておくと、それがすべて自動集計されるので、本当に楽になりました。」 授業後に行う小テストは、複数の選択肢から正解を選ばせる形式を採用。「こうしておけば自動で採点されるので楽です。ダミーの誤答を考えるなど問題作成には手間がかかりますが、一度作ったものは、多少手を加えれば毎年活用できるので、長い目で見れば大きく省力化できます。」 小テストには解答時の制限時間も設けているが、何度でもやり直し可としている。「最終的に理解することが重要なので、何度やろうと一番いい点数が成績になるようにしてあります。履歴を見るとそれぞれ何回トライしたかわかるのですが、中には50回以上チャレンジしてる学生もいますよ。」 小テストをCourse N@viで行うことのメリットはまだある。「各設問の正答率もすぐにわかるので、どこがわかっていないのか、全体の理解度を確認することができます。」 最終的に教場試験も行うが、約1500点満点のうち試験の比重は400点。残りはCourse N@vi上に記録した課題や授業の感想、小テストなどの点数を加点する。細かく点を積み重ねていく方法は、学生にとって日々の学習が報われだけでなく、教員側の主観による不公平さを排除する効果もあるという。「人数の少ない授業では、どうしても感情的な主観による思い込みが入ってしまいます。でも、こうやって細かく数値化しておくと、彼はサボっているように見えても意外にマジメにやっているなあ、などと気づくことも多く、公平な評価に結びついていると思います。」大講義:事前アンケートと感想で学生の参加意識を促す さらに福田教授は、「小テスト機能」を別の用途にも利用している。 1年生が選択必修科目として履修するリレー講義「複合文化学の建築物1」という授業では、受講生が150名を超える。ここでは、「小テスト機能」を使って、次回のテーマに関する簡単なアンケートを行っている。次の講義内容へ学生の関心を引き付けると同時に、学生たちの見方を前もって把握しておけるという効果もあるという。「小テスト機能」を利用しているのは、このアンケートへの参加も加点対象としているためだ。集計した結果は、Power Pointに貼り付けて次の授業で紹介することで、学生たちは興味を持って講義を聴くようにもなる。

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