事例集Vol.2
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12テレビ会議で中国と結び、オンラインでプレゼンを行う 「英語Ⅲ」の授業は、1年次で「英語Ⅰ」「英語Ⅱ」を終えた学生が履修する科目で、2年生以上を対象にしている。その目的は、海外の大学とのオンラインでの交流を通じて、実践的に英語を使って意見や情報の交換をし、相手国の考え方や文化を理解することだ。 活動の中心となるのは、テレビ会議システム。早稲田とCNU双方のクラスで、各5名ずつのグループを作り、「Culture life」「Economic life」「Tour of the country」などのトピックについて調べ、パワーポイントを用いながら、約30分間のプレゼンテーションを行う。時差が1時間しかないという地理的なメリットにより、両校の学生がオンライン上でリアルタイムに交流することが可能になっている。 学生たちは、英語ではもちろんのこと、プレゼンテーションという作業も初めての経験であることが多い。そこで、これに先立ち数週間にわたって、プレゼンテーションを行うために必要な各種のスキルや知識を学ぶ。パワーポイントの扱い方、サーチエンジンの使い方などのコンピュータ・スキルをはじめ、BBSやe-Mail、オンラインチャットの利用法についてもレクチャーを受ける。同時に、英語を使った自己紹介のポイントや日本人に多い英語の間違い、相手の言っていることがわからなかったときの尋ね方など、英語によるコミュニケーションに必要な知識も、この段階で学習する。チャットやe-Mail、BBSで意見交換をする 発表した内容についての意見交換には、テレビ会議のほか、オンラインチャットやe-Mail、そしてCourse N@viのBBSが利用される。 「一番便利に使っているのはBBSです。オンラインチャットやテレビ会議のような同期システムは、決まった時間にしかやりとりができませんが、BBSなら自分の好きな時間にマイペースで参加できるのがいいですね」。 学生全員で情報を共有できる点も、BBSならではのメリットだ。ニューエル教授が担当している「英語Ⅲ」という授業では、中国の首都師範大学(CNU)との遠隔交流を行っている。そこでは、テレビ会議やチャット、e-Mail、そしてCourse N@viのBBSといったオンラインツールが不可欠のものとして機能していると言う。授業の成果を上げるために、これらをどのように活用しているのか、そのポイントを伺った。「何か疑問があってプレゼンをした相手に直接e-Mailで尋ねたとしても、その内容について相手が答えられるとは限りません。しかし、BBSなら多くの学生が見ているので、誰か知っている人が情報を提供してくれます。」 同時に、最初は関心がなかったことも、他人の書き込んだ内容を読んでいるうちに興味を持つようになることもある。「最初は特定の2人だけの話題だったことが、1人増え、2人増えてだんだん輪が広がり、やがては大きなグループで共通の話題になるということもよくあります」。このように、思いもかけぬ方向に思考が広がっていく可能性をもたらすのも、BBSの魅力だ。 学生たちは、その場ですぐに答えが欲しい内容はチャットで、他の人には知られたくない内容は個人的にe-Mailでというように、各ツールの特徴に応じて臨機応変に使い分けるようになるという。「テレビ会議で顔を知った上で、さらに複数のツールを組み合わせて意見交換を行うことで、相手校の学生とも親密度が増し、より交流が深まっていくようです」。BBSを活性化するために一工夫 この授業では、輪番で必ず参加義務のあるテレビ会議のプレゼンテーションに加えて、BBSやe-Mail、チャットへの参加も加点の対象となる。ニューエル教授は、各学生がそれぞれのツールをどの程度利用したかについて、定期的にチェックを行っている。たとえばチャットばかりやっていてBBSへの書き込みが少ない学生がいれば、直接注意を喚起するなどして、すべてのツールをバランスよく利用するように指導しているそうだ。 BBSについては、書き込んだ文章のワード数を計算し、その量が多いほど多くの加点を与えるというシステムを採用している。「BBSの書き込みでは、英語の文法的な誤りは一切問題にしません。とにかく、できるだけ多く、積極的に参加することを評価の対象としています」。 その背景には、英語の「文法的な正確さ」よりも「意味が通じること」を重視するという、この授業の基本方針がある。「英語を使ったコミュニケーション能力を鍛えるには、量をこなすことが重要なのです」。 もし、相手に意味が通じないほどのミスがあればコメントで指摘ニューエル・アントニー政治経済学術院教授各種オンラインツールの併用で学生主体の学習に大きな成果

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