事例集Vol.2
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08発表用の事前資料をCourse N@viでアップロード「グローバル・リテラシー演習」とは、「テーマ・カレッジ演習科目」の1つとしてオープン教育センターに設置されている授業である。「英語と異文化の理解」をテーマとし、ICT(Information and Communication Technology)を活用した国際コミュニケーションと異文化交流を行っているのが特徴だ。 授業は20名程度の少人数制で、2コマ連続の集中した演習形態をとっている。毎回、早稲田大学、高麗大学双方の学生がテレビ会議システムを通じて、学生自らが設定したトピックについてのプレゼンテーション、およびそれについてのディスカッションを、すべて英語で行っている。 発表を行うグループの学生は、そのトピックに関する文書資料のワードファイルと、発表時に使用するPPTファイルをあらかじめ作成し、Course N@viを通じて前日までにアップロードしておく。 この作業を可能にするため、この授業に参加する高麗大学の学生にもCourse N@viを利用するためのIDとパスワードを配布し、海外からCourse N@viを利用可能とするとともに、学生が資料をアップロードするための権限も設定している(通常の権限設定ではレポート以外のデータを学生がアップロードすることはできないため、個別に権限設定を変更する必要がある)。「直接学生が事前資料を全員に配布できるので、教員が介在する必要がなく、助かっています」と根岸先生は語る。 授業に参加する全学生はこの資料に目を通した上で当日の発表を聞き、ディスカッションに参加することになる。授業後はBBSでディスカッションを深める 授業終了後は、早稲田大学・高麗大学双方の学生が、その週のトピックについての意見をCourse N@vi上のBBSに書き込むことが義務付けられている。また、自分の書き込みに対してコメントがあった場合には、必ず最低1回は返信しなければならない。 「授業時間内のディスカッションだけでは議論し尽くせなかった点も、時間をおいて、各自ゆっくり考えながら意見を書き込む機会を設けることで、より議論を深めることができます」。議論の内容がす根岸先生が担当するオープン教育センターの「グローバル・リテラシー演習」という授業では、テレビ会議システムを利用し、韓国の高麗大学の学生たちとの間で共同演習を行っている。遠く離れた学生同士の交流授業において、テレビ会議システムと並んで重要な役割を果たしているのがCourse N@viだ。その実践内容と利点についてお話を伺った。べて目に見える形で残るため、それを教員が読むことで、学生の理解度を把握するのにも役立っていると言う。 このBBSでは、書き込みの頻度や内容が評価の対象となるからという理由だけではなく、かなり活発な意見交換がなされている。参加学生にアンケートを採ってみたところ、週に7回以上もアクセスする熱心な学生も、3割近くいた。 学内の他の事例を見ると、BBSを設置しても書き込みの数が少なく、いわば過疎化してしまっているケースもありがちだ。この授業では、教員側が書き込みを義務化するというルールを設定することによって、BBSを活性化する効果をあげているようだ。書き込む最初のきっかけを強制的に与えられて参加するうちに、学生たちはディスカッションを楽しんで行うようになると言う。「テレビ会議で顔なじみになっていることもあり、BBSでさらに交流を深めることで、学生同士の親密度も増すようです。学期終了後には、お互いの国を行き来している学生もいますよ」。 学生たちから好評だったのが、自分の書き込みにコメントがあるとメールでお知らせが届くシステムだ。「必要なときだけBBSにアクセスすればよいので、効率的に参加できたようです」。 一方で、「BBSに投稿するためにわざわざCourse N@viにログインするのが面倒」という声もあったと言う。この点については、「(Ver.3.0から)書き込み通知メールの返信用URLから(Course N@viにログインすることなく)直接投稿もできるようになったらしいので、ぜひ学生に勧めたいと思います」。レポート提出もCourse N@viで この授業では、BBSへの書き込みとは別に、授業時間外における音声チャット交流の機会が設けられている。( ※音声チャットシステムはCourse N@viとは別のシステムを利用)多人数ではなかなか発言できない学生のために、両大学から2~3名ずつが参加し5~6週間にわたりディスカッションを行うというものだ。 このチャットについては、学生同士が都合のよい時間帯で行われることもあり、出席管理やトラブル対応にはTAがあたり、教員は直接介在していない。その代わり毎週、チャット交流終了後に、各学生はチャットの内容を「チャットサマリー」としてA4用紙1枚程度にまとめてCourse N@vi上からアップロードすることになっている。根岸純子オープン教育センター非常勤講師授業前後のディスカッションや発表前のグループワークにBBSが大活躍

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