こんにちは、こうはいナビスタッフの安部です。
教職・図書館司書ときて、今回は博物館学芸員課程の紹介です。
博物館学芸員……? 名前は聞いたことがあっても、博物館で働いているという印象しかないんじゃないでしょうか?
基本になる仕事は、博物館・美術館の資料の収集・保管・展示です。資料は博物館・美術館の心臓ですから、それを扱う学芸員も非常に重要な役割なわけですね。
博物館の規模によっては、広報や予算組立にも関わることがあります。仕事内容が多岐に渡るので、博物館・美術館のあらゆる仕事に関わるチャンスがあるのです。
資格課程履修の流れは他の資格とほとんど同じで、教育学部設置の「博物館学芸員関連科目」を履修するだけ!
また、博物館学芸員課程の特徴として、文学部で夏期集中講座が設置されていることがあげられます。なので、試しに夏だけ履修したりすることも可能ですが、夏期集中講座は抽選必至なので、真剣に履修を検討している人は教育学部の科目と併せて履修申請しましょう。
と、色々書いてきましたが、なかなかイメージしづらいですよね(;^_^A
現場の声はどのようなものなのでしょうか? 実際に博物館学芸員として勤務した経験のある早稲田大学の先生にお話を伺って来ました。
Q1.学芸員として勤務されていたころは、どのようなお仕事をされていたんですか?
A1.私が勤めていた博物館は、当時はまだ開館2年目で施設として完成していませんでした。なので、完成させるために館で保管したい資料の所有者との交渉や、資料を収蔵してほしいという依頼への対応をしていました。
加えて、それらの資料の維持管理と、来場者に対してどのような見せ方をするかを考えるまでが仕事でした。
Q2.学芸員課程を履修して面白かったことはなんですか?
A2.やはり実習は面白かったですね。早稲田キャンパスにある演劇博物館で実習を行いましたが、演博の資料を実際に触らせてもらったりもしました。今でも実習は演博の教室で行われています。
私たちのころは、大学で学芸員を養成するっていう制度の黎明期で、探り探りの部分もありましたが、今はテキストも充実しているので、もっと面白い勉強ができますよ。
Q3.学芸員課程を履修する前と後で変わったことはありますか?
A3.展示物と一対一で向き合うだけではなくて、展示意図まで考えるようになりました。
他にもキャプションが親切かどうかとか、照明にどんな工夫がされているかとか、湿温度計があったらちゃんと管理されているかにも目が行っちゃいますね。
邪念が混ざるようになったともいえますけど(笑)
Q4.現在の博物館学芸員の就職状況はどのようなものなのでしょうか?
A4.年間1万人ほどが資格を取得するのですが、私が知っている範囲だと採用の倍率は200~300倍と厳しいのが現状です。ですが、昔はツテで紹介してもらうしかないところが大半でしたが、今は公募されるようになりましたし、博物館ができたころの学芸員が退職される時期なので、チャンスは広がっています。
また、学芸員でなくとも、文化財関係の周辺分野もありますし、博物館の企画に関わる会社もあるので、文化財と関わる道はたくさんあります。そういった道に進むときでも、学芸員課程で基礎的な勉強をしていたことは必ず役に立ちますよ。
Q5.学芸員課程の教員として、講義で学生に伝えたいと思っていることは何ですか?
A5.博物館というものを社会から取り出して考えるのではなく、社会全体とのつながりの中で捉えてほしいと思っています。
例えば、制度改革で国立博物館も国が直接運営するのではなく、独立行政法人になっている。そういった厳しい状況の中で現場が頑張っているということを知ってほしいです。
Q6.学芸員課程の履修を考えている新入生にメッセージをお願いします。
A6.博物館や美術館をそれまでよりも身近に感じることができるようになるし、同じものでもより豊かに見えるようになります。きっと博物館・美術館が10倍楽しくなりますよ。
学生は入場料の面でも優遇されているので、学生のうちに多くのものを受け止めてほしいですね。
いかがでしょうか?
僕はお話を伺っていて、博物館・美術館ってこんなにも奥が深いのかと驚きました。
みなさんも、その奥深さを体験してみませんか?
より詳しい情報を知りたい人は、『教職課程の手引き』に掲載されている博物館学芸員の項目を見てみましょう。
<お知らせ>
早大生は国立科学博物館が入館無料に! ~大学パートナーシップのご紹介~
http://www.waseda.jp/jp/news12/120418_open.html
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